「雨夜の月」1巻レビュー【くずしろ最新作】マイノリティーの女子高生2人の物語
全社会人共感のワーキングガールズコメディ
「笑顔のたえない職場です」のくずしろ先生最新作。
また「笑顔の・・・」とは違った一面を見せる。
同時連載何本やってんだ、ただ単にすごい。
本日のマンガはこちら
「雨夜の月(あまよのつき)」1巻
タイトル「雨夜(あまよ)の月」はことわざ。
現実に存在するが実際にそれを見ることはできないことの例え。
このタイトルが意味することとは・・・
マイノリティー同士の女子高生の物語
主人公は金田一咲希(きんだいち さき)
高校入学前の春休み、ピアノ教室へ向かう途中で女性とぶつかってしまう。
何も言わずに荷物を拾い、絆創膏をくれたキレイな女性のことが忘れられなかった。
高校入学、隣の席にはあのときの美人。
驚きと喜びを隠しきれない咲希。
だが自己紹介でさらに衝撃を受ける。
その女性は及川奏音(おいかわ かのん)
彼女は聴覚障がい者であった。
奏音と仲良くなりたい咲希と
一線を引き距離を取ろうとする奏音。
次第に咲希の真っ直ぐな気持ちに奏音も・・・
ここからは1巻の見どころを3つ。
①過去の経験から周囲と一線を引く奏音
②自分の知らない世界
③同性愛であることに苦しむ咲希
1つずつ書いていきます。
過去の経験から周囲と一線を引く奏音
中学時代に依存したことで友人を失った彼女。
そのことがキッカケか敢えて周囲から距離を置く態度をとる。
傷つくくらいならもう友人はいらない
そんなスタンス。
だが咲希の行動が徐々に奏音の心の氷を溶かす。
咲希といるときの顔が段々柔らかくなり、奏音の本来のかわいらしい素顔が出ていく様がいい。
自分の知らない世界
知らない世界を知れることもマンガの魅力。
聴覚障害者=手話のイメージ。
だが使える人は約20%は初めて知った。
他にも色々と知ることができた。
書店で会計するときのエピソードは特に。
今の時期、感染対策でみんなマスク着用。
読唇術を使う人は生活しづらいんだなと。
自分にとって何気ないことでも他の人にとっては難しいことがたくさんあると再認識。
現代人は何かと忙しい。
忙しいと周りを見渡すことがなおざりになりがち。
心に余裕を。
周りのことが見える人でいなきゃなと思った。
何事も「知る」ことが大事。
同性愛であることに苦しむ咲希
読み始めから何か違和感があった。
「このシーンはなぜこの描写?」のような。
だが読み続けると次第に点と点が線で繋がる。
彼女も奏音と同じマイノリティー側の人間・・・
カミングアウトできるものならしたい。
だけどそれで関係が壊れる可能性が高い。
これはこれで抱えるものが大きすぎる。
このシーンは切ない・・・
実際に自分が友達からカミングアウトされて
恋愛対象だと言われたらどんな反応を?
その後の関係は?友達のままで入れる?
全く想像つかない。
三毛自身はこういうことに偏見ない。
だが自分が当事者になったときどんな行動をするかなと考えてしまった。
あと咲希のお母さん気づいてるよね?
娘が同性愛者だって。
マイノリティーに属するの2人の女子高生。
そんなふたりの日常を描いた作品「雨夜の月」
2巻も乞うご期待です。
電子版巻末にはなんと・・・
電子版の巻末にはくずしろ先生の作品のひとつ
「笑顔のたえない職場です。」の1話から4話の試し読みがっ!!
「雨夜の月」から流れで読むとギャップが・・。
急に笑わすからー、もう(笑)
最近、双見が大人しいせいか初期の双見の妄想癖かなりやばいと再確認。
笑うこと間違いなしの1話〜4話、オススメです。
気になる方は書店へorポチッとなー
本日紹介したマンガはこちら
「雨夜の月」1巻
「笑顔のたえない職場です。」1巻
同時発売の「笑顔のたえない職場です。」4巻記事もよろしければどうぞ
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